総天然色
高齢の知人から
昔はカラーのことを総天然色と言っていたんだよ。
と聞きました。
ソウテンネンショク?
初め脳内で漢字ができず、話を聞くうちに
総天然色であると変換できました。
その知人はもう70代。
70年生きるうちに、シロクロが総天然色になり、
そのうちカラーと呼ばれるようになり、
カメラの話だったので、フィルムがデジタル化したのです。
その人生を思うと、
70年の長さを感じました。
また、総天然色というネーミングについてもおもしろさを感じます。
今は何でもカラーが当たり前ですが、昔はテレビも写真も白黒が普通。
そこに、色付き画像の登場!
よし、全部自然な天然の色を再現できるから、総天然色にしよう!
と言った、開発陣の声が聞こえてきそうです。
ただ一つの言葉から、ふわっと世界が広がった気がしました。
白黒をカラーにするために携わった人たちの人生や苦労が、一瞬、私の手の届くところに来たような感覚になり、すごくうれしく感じたのです。
こんな感覚は初めてでした。
総天然色はもう死語ですが、そういった言葉の中にも、
このような思いがけない価値があるかもしれません。